2023年12月27日

ポケコン(PC-G850)用小型シリアルケーブルの作成(その4)ケースの検討2

 前回の記事の末尾の結論で書いたように今回作成した PC-G850(以降、ポケコンと記す)用の USB シリアル変換のケースを透明の PETG フィラメントを使って FDM 方式の3Dプリンタで出力してみました。

 前回の記事では側面に小さな文字を刻印していましたが、FDM 方式では流石にあの大きさの文字は出力できないので側面の刻印は消して表面にロゴを入れてみました。CAD での設計画面が下図で、USB メモリのような形状でポケコンのケースを本体の背面に付けた状態でも装着できるように考慮した形状にしています。

ポケコン用 USB シリアル変換のケース(CAD画面)

 出力したケースにプリント基板を入れた状態が下の写真です。3Dプリンタで出力後、透明塗料塗布等の後処理はしていませんがそれなりに透明感はありますね。左側に付いているのが USB コネクタ(Mini-B)です。ピンヘッダのガイドはグレーの PETG フィラメントを使って出力しました。

ポケコン用 USB シリアル変換(その1)

 USB コネクタの反対側は下図のように平らになっています。

ポケコン用 USB シリアル変換(その2)

 ピンヘッダと反対側の表面が下の写真です。表面に付けたロゴは写真では良く見えませんが目視では光の当て方によっては良く見えます。

ポケコン用 USB シリアル変換(その3)

 記録として USB コネクタと逆側の面の写真も付けておきます。右端に USB コネクタの金属部分が見えますね。

ポケコン用 USB シリアル変換(その4)

 下図は白い紙をバックにして撮った写真で、ロゴはこっちの方が見え易いですね。

ポケコン用 USB シリアル変換(その5)

 通信時の Tx/Rx 信号のモニタ用の LED の点灯具合が判るように動画撮影したものを Twitter に投稿しましたので貼っておきます。


★追記 2024/01/16
 BOOTH でポケコン(PC-G850)用USBシリアル変換器の名称で配布することにしました。


★追記 2024/02/06
 部品実装済みの基板の写真を貼っておきます。

USBシリアル基板(部品面)

USBシリアル基板(コネクタ面)


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2023年12月22日

ポケコン(PC-G850)用小型シリアルケーブルの作成(その3)ケースの検討

 前回の記事に追記したように届いたプリント基板は今回新規作成したフットプリントのピン番号のアサインに誤りがあったことから修正版を製造依頼中です。修正したプリント基板が届くまで時間が掛かることから前回の基板を使ってケースを検討してみました。

 折角プリント基板にして小型化したのでなるべく小さくまとめたいところですが、今回はPC-G850(以降、ポケコンと記す)の下側にカバーを付けた状態でも接続できるように考慮します。
 プリント基板の3Dデータを DesignSparkPCB から取り込み、更に初回の記事で書いたピンヘッダガイドの STL ファイルも取り込んでサイズ合せしながら設計したものが下図になります。ポケコンに接続した際に上側になる部分にはロゴマークと文字を入れてみました。

USBシリアル変換ケース1(CAD画面)

 下図は USB ピンヘッダ側のキャップを外した状態でキャップです。

USBシリアル変換ケース2(CAD画面)

 キャップの固定はネジは使わずはめ込み式で下図のように上下の爪で固定するようにしています。

USBシリアル変換ケース3(CAD画面)

 ケース上面に付けた文字のサイズが小さいので 0.4mm のノズルの FDM 方式の3Dプリンタでは出力が難しいと思います。また、FDM 方式のプリンタで出力すると外観が如何にも試作風なので今回は久々に SLA 方式の3Dプリンタでケース作成にチャレンジしてみたいと思います。
 始めに PETG フィラメントを使って FDM 方式の3Dプリンタで試し印刷をしてみました。下図は側面の写真です。形状が単純なので FDM 方式でも結構綺麗に仕上がっていますね。PETG フィラメントを使用したので強度的にも問題無さそうです。

FDM 方式での試し印刷(側面)

 下図はピンヘッダ面になります。USB コネクタ及びピンガイド部分も問題無いですね。

FDM 方式での試し印刷(ピンヘッダ面)

 下図は SLA 方式でのスライシングソフトである CHITUBOX でスライスする際の画面です。 SLA 方式のスライスではこのような形状のものは斜めにしてスライスするのが一般的ですが、今回はケース面を直接プラットフォーム面においてサポート無しの状態で造形しました。

SLA 方式でのスライシング

 基板にはシリアルデータ送受信状態のモニタ用の LED も実装しているので透明のレジンを使用しました。下図が出力結果です。通常の透明レジンを使用しているので白く濁っている感じですね。

SLA 方式での試し印刷(側面)

 下図はピンヘッダ面です。透明度はそれほど高くなく、プリント基板のシルク印刷文字が読めない状態です。

SLA 方式での試し印刷(ピンヘッダ面)

 クレオの Mr.COLOR UV Cut 光沢(GX112) をエアブラシで吹き付けた後の写真が下図です。若干透明度は高くなっていますがあまり変化ないですね^^;
 何度か重ね塗りすればもっと透明度が上がると思います。文字の刻印を入れているのでコンパウンド等では磨き辛いです。

UV コーティング後 SLA 方式での出力(側面)

 下図がピンヘッダ面です。プリント基板上の文字も相変わらず読めない状態です。

UV コーティング後 SLA 方式での出力(ピンヘッダ面)

 気になる刻印部分の写真が下図です。写真では文字が読みづらいですが、目視ではちゃんと読めます。流石 SLA 方式ですね。

UV コーティング後の刻印部分

 試しに JLCPCB さんの 3D Printing サービスで本ケースの STL ファイル(キャップと本体)で価格を確認したところ送料を含めない価格が
  • White(LEDO 6060 Resin)
     $0.60 / 1個
  • Transparent(8001 Resin) Serface Finish:Yes
     $4.02 / 1個
でした。透明レジンの場合、表面処理が自動的にオンになります(表面処理無しでは透明度は低いと推測される)。


【結論】
 SLA 方式の3Dプリンタで透明レジンを使ったケースの作成について検討してきましたが、手間が掛かった割には思ったようにきれいに仕上がらず、透明度も低い状態でした。またレジンではケースとしての強度も物足りない様に感じます。もっと高価な透明度の高いレジンや ABS ライクなレジンを使えば違う結果が得られる可能性はありますが、なるべく安く仕上げたいのです。
 これらのことから今回開発中の USB シリアル変換のケースは透明のフィラメントを使って FDM 方式の3Dプリンタで作りたいと思います。今回のような「プリント基板上の LED の状態が見えるようにする」という条件が無ければ異なる結論になるかもしれません。


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posted by skyriver at 17:20| Comment(0) | ポケコン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年12月06日

ポケコン(PC-G850)用小型シリアルケーブルの作成(その2)

 前回の記事の最後に追記したように USB シリアル変換用のチップも搭載した PC-G850(以降、ポケコンと記す)用のシリアルケーブル作成に興味が沸いてきたので検討してみました。
 まずは変換チップを選定ですが、秋月さんで販売しているものの中から 10ピンで MSOP パッケージの CH340E を使ってみることにしました。
 選択理由は
  1. ピン数が少なく、RTS/,CTS/信号に対応している
  2. 値段が他の物より安い
  3. 他の物より小型のパッケージである(ピン間隔が 0.5mm)
です。最後に書いたピン間隔は今まで未体験の狭さで若干心配ですがチャレンジしてみたいと思います。最初に作成したフットプリントはピン部分のパターンの隙間が狭過ぎてフットプリント自体がデザインルールチェックに引っかかったのでフットプリントを細く修正しましたw
 下図が今回作成した回路です。CH340 を使ったポケコン用の回路をネットで探しましたが直ぐには見つからなかったのでデータシートに記載されている回路を参考にして作りました。送受信モニタ用の LED も付けました。インバータでは無く NAND を使ったのは、秋月さん価格が NAND の方が安かったからです。前回の検討内容も反映して、IC への給電は USB 側から行うようにしました。

USBシリアル変換チップ使用の回路
★追記 2023/12/29 {
 ポケコンに装着していない状態では2カ所で NAND ゲートの入力が解放状態になりますが使用している TC74AC00FT では入力部に静電破壊から素子を保護するダイオードが付加されています。
}

 下図がグランドベタ化前のパターンです。青がボトム面、赤がトップ面になります。緑色の部分はグランドです。

USBシリアル変換基板パターン(グランドベタ化前)

 下図がグランドベタ化後のボトム面のパターンです。緑の部分はグランドです。右端が USB Mini-Bコネクタで左端が送受信モニタ用の LDE です。ポケコンに実装した状態では LED が手前側になります。

USBシリアル変換基板パターン(ボトム面)

 グランドベタ化後のトップ面のパターンが下図になります。ピンヘッダの下に空き地がありますが、ここに製造番号の記載を誘導しています。

USBシリアル変換基板パターン(トップ面)

 下図は3D表示したボトム面で部品数は少ないのですが SMD ディバイスを全てボトム面に実装したので少し込み入っています。

USBシリアル変換基板の3D表示(ボトム面)

 トップ面の3D表示が下図です。実装部品はピンヘッダのみなのでスカスカです。

USBシリアル変換基板の3D表示(トップ面)


★追記 2023/12/07
 今回は CH340E のフットプリントを自前で作成したのでプリントアウトしたパターンと実物を突合してみました。問題無さそうですね。プリント基板を製造依頼しようと思います。

フットプリントのチェック


★追記 2023/12/18
 プリント基板が出来上がったので部品実装し、確認のために撮影した写真が下図です。0.5mm ピッチの CH340E の半田付けも上手く出来ているようです。

部品実装後の確認写真

 動作確認した結果、残念ながら動作しませんでしたorz
 今回新規に作成した 74HC00 のフットプリントでピン番号のアサインが間違っている箇所があり、修正して製造依頼しました。


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posted by skyriver at 22:45| Comment(0) | ポケコン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする